公益財団法人 軽金属奨学会 設立60年史
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1 公益財団法人 軽金属奨学会は平成27年1月、設立60周年を迎える事ができました。これはひとえに、関係者各位の長年に亘るご支援とご理解の賜物と厚くお礼申し上げます。「60年の足跡と未来への歩み」を発行するにあたり、ひとことご挨拶申し上げます。 当会は、昭和30年、東洋アルミニウム㈱の創立25周年記念事業の一環として、東洋アルミニウム㈱と同社の大株主であるカナダのアルキャン社との協力の下、「軽金属に関する学術の研究及び教育を助成・奨励して、我が国の軽金属工学及び軽金属工業の進歩・発展に寄与する」事を目的として設立されました。 発足当時の我が国軽金属工業は、熾烈な国際競争の中で、先進国に対し技術・設備面で大きく立ち遅れており、この遅れを取り戻すには、一日も早いアルミニウムに関する根本的な基礎研究と情報収集力の強化が最優先課題でありました。当時の状況に危機感を抱いていた故小山田裕吉氏(当時の東洋アルミニウム㈱社長)は、産・学共同でこの種の研究に着手させるべく軽金属に関する学科を置いている全国の大学の研究室や研究者に対して研究資金の提供を開始しました。これが、当会の代表的事業として設立以来一度も途切れることなく続いている「教育研究資金・研究補助金」であります。過去60年間に延べ4702名の研究者に研究資金を提供してまいりました。 他に主要事業として、昭和30年代に開始した「海外交流補助金」「奨学金」「研究設備購入」「出版刊行」「図書購入文献寄贈」「研究試料提供」等の事業がございます。40年代には「表彰」事業を開始し、50年代後半には、新事業として「課題研究」「グループ研究」「研究成果発表」事業を、平成9年には「軽金属フォーラム」事業を、更に平成19年には「統合的先端研究」事業を開始致しています。この間、平成22年には、公益財団法人への移行が認可されました。 当会60年の歴史の中で、現在も継続している事業、役目を終え廃止した事業、一時中断している事業、内容を見直し再開した事業等がありますが、その時代、時代の要請に柔軟に対応し、背伸びをせず、身の丈にあった事業を着実に展開して今日までまいりました。 継続は力なりと申しますが、60年間、時代に流されることなく、多くの困難な時期を乗り越えてきた私共の地道な努力と事業活動の成果を本誌を通してご理解・ご評価頂ければ幸いでございます。 これからは、次なる時代に向かって、もう一度初心に立ち返り、現在行っている事業の見直しや時代の要請に対応した新事業の開設など、当財団の特色を生かし、その目的とするところに向かって我々一同、精一杯精進してゆく所存でございますので、今まで以上のご理解とご支援ご協力をお願い申し上げます。公益財団法人 軽金属奨学会理事長 今須 聖雄ご 挨 拶

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