44■財団運営の現況 定例の役員会を年2回行い、また必要に応じて適宜臨時理事会を開催して、事業内容の企画、検討、評価、改善、強化などを行っている。 年間の重要なイベントとしては、小山田記念賞をはじめとする軽金属学会の授賞式、課題研究成果発表会(隔年)、統合的先端研究成果発表会(隔年)などがある。 事務局は東洋アルミニウム本社に置かれ、常駐スタッフ2名が日常業務を担当している。 近年の事業予算は、年間5千数百万円前後の額で組まれている。事業配分としては、教育研究資金、統合的先端研究が全体の約40数%を占め、研究補助金、課題研究、研究成果発表がそれぞれ10%強ずつ、残りがその他事業に配分されている。■財団の展望と課題 本編を閉じるにあたり、軽金属奨学会のこれからの展望と課題をまとめておきたい。 財団の設立当時、日本の軽金属工業は、国際競争力に乏しく、技術・設備面で先進諸国に肩を並べるためには、その根本となるアルミニウムに関する基礎研究と情報収集力強化が最優先課題であった。この課題を解決するため、軽金属奨学会は設立され、軽金属に関する学科を置いている全国の大学の研究室、研究者に対して研究資金の提供を行ってきた。この設立時の使命感と目的意識は、現在も連綿と維持されており、その成果は内外の学会やものづくりの世界で、多大な実績となって積み重ねられてきた。 60年の歴史の中では、役目を終え廃止した事業、一時中断している事業、内容を見直し再開した事業などもあるが、それは時代ごとの要請に柔軟に対応し、分相応の事業を着実に展開してきた結果といえる。 「継続は力なり」というように、これからも財団の理念に則した基本事業の継続がまずはベースとなり、さらにその上に、時代が要請する新たな事業に取り組むチャレンジ精神も失わずに事業を運営していきたいと考えている。 時代とともに、その役割や活躍するフィールドは代わっても、今後もアルミニウムは、金属素材としてのすぐれた特長を生かして、人類の未来を担っていくと考えられる。そうした中で軽金属奨学会が果たして行く役割は、ますます重要になっていくであろう。 本誌冒頭に掲載した、7代目理事長今須聖雄の挨拶文の中での決意を再度表明させて頂き、本編を閉じることにする。 これからは次なる創立70年、80年に向かって、もう一度初心に立ち返り、現在行っている事業の見直しや、時代の要請に対応した新事業の開設など、当財団の特色を生かし、その目的とするところに向かって、我々ー同、精一杯精進してゆく所存でございますので、今まで以上のこ理解とご支援ご協力をお願い申し上げます。
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