公益財団法人 軽金属奨学会 設立60年史
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5 公益財団法人 軽金属奨学会設立60周年、おめでとうございます。日本アルミニウム協会を代表し、心からお祝いを申し上げます。 まずは、軽金属奨学会が設立以来60年にわたり、軽金属、特にアルミニウムに関する学術研究と教育を助成推奨し、軽金属工学の進歩に大きく寄与されてこられたことに敬意を表する次第であります。 貴奨学会が設立された1955年当時、日本のアルミニウム総需要は年間約10万トンでした。以降、オイルショック、バブル崩壊、リーマンショック等幾多の経済危機を乗り越えながら、昨年の総需要は約400万トンと、この60年間で実に40倍も市場が拡大しました。これは、貴奨学会が教育研究資金や研究補助金を通じて、アルミニウムに関する研究開発を支援した成果であり、アルミニウムを素材にした数々の素晴らしい工業製品が誕生した結果であります。さらに昨今では、軽量かつ環境負荷が少ないという素材としての基本特性が評価され、自動車や飲料用ボトル缶をはじめとした新たな用途展開にも拍車がかかり、更なる飛躍が期待されています。 一方で、我が国におきましては、人口減に伴う内需の縮小、グローバル化の進展による生産の海外移転、安価な海外製品の流入、原料の海外依存など、アルミニウム産業を取り巻く環境には様々な難題があるのも事実です。我々がこれらを克服し、かつグローバル市場での競争を勝ち抜いていく事は、決して易しい道程でなく、これまで培ってきた私達の強みである「技術」にさらに磨きをかけ、世界をリードしていく必要があると考えています。 研究開発による技術革新、あわせてそれを可能にする人材育成は、今後も我が国のアルミニウム産業発展のための根幹であり続けるでしょう。しかし、グローバル化の時代においては、競争力を確保するために、常に一歩先を行く技術開発が欠かせません。研究者による絶え間ない、地味で基礎的な研究があればこそ、革新的な製品につながる技術開発が可能となります。貴奨学会の理念ならびにそれに基づく各種活動は、今後も脈々と受け継がれ、アルミニウム産業の発展に引き続き貢献されていくことを信じてやみません。 最後になりましたが、軽金属奨学会が益々ご発展されますことを祈念申し上げまして私からの祝辞とさせていただきます。一般社団法人 日本アルミニウム協会会長 金子 明

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