公益財団法人 軽金属奨学会 設立60年史
81/102

79ている。アルミメジャーと言われる企業も後で述べるように採算の悪い板や押出と言った下流部門を整理統合し、上流のアルミナや新地金部門に傾斜する傾向があった。 世界の主要企業の2007年度(平成19年度)と2013年度(平成25年度)における事業規模と経営効率について、縦軸に資産合計、横軸に自己資本回転率をプロットし、当期純利益を球の大きさで表したJOGMECの資料によると、2007年度(平成19年度)においては、資源6大メジャー(BHP、Glencore、Vale、AAL、Rio Tinto、Xstrata)が高い収益率を示していたが、2013年度(平成25年度)にはBHP、Rio Tinto及びValeの3社のみが残り、当期収益率も大きく減少している。これは、2007年度(平成19年度)は資源バブルも最盛期の頃であったことに対し、2013年度(平成25年度)は資源価格が低迷していたことが理由である。 一方、アルミメジャーに目を移してみると、アルミ地金の生産量のトップ10には、6大メジャーと言われた会社はRio Tinto Alcan、Alcoaのみで、他にRusal、EGA、Norsk Hydroが名を連ね、注目すべきは中国系の企業が5社も入ってきていることである。今や中国は世界の半分以上のアルミニウムを消費しており、中国は需給の両面で大きな影響力を及ぼす存在となってきていることが明確である。 そのアルミメジャーもM&Aを繰り返し、大きく変化してきている。先にも述べたとおり、アルミメジャーも資源メジャーと同様上流部門を重要視してきた。その最たる例がAlcanである。Alcoaのカナダ子会社世界の主要企業の事業規模と経営効率(2007年度決算)アルミ地金生産量トップ10海外圧延アルミメジャーの統合と戦略世界の主要企業の事業規模と経営効率(2013年度決算)

元のページ  ../index.html#81

このブックを見る