公益財団法人 軽金属奨学会 設立60年史
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81お、AMAGはもともとロールスロイス用のハイエンドの板を少量ながら提供しているオーストリアの企業である。 自動車メーカーはAピラーと言われる部分を除いて、ベンツ、アウディ、フェラーリ、ロールスロイスなどはオールアルミの車を作っているので、圧延メーカーはそれなりに設備を拡張して対応してきた。日本では、UACJ及び神戸製鋼が年2万トン強を生産しており、その他日本軽金属と三菱アルミが数百トンの規模で生産している程度であるが、これは日本の自動車メーカーがアルミ採用に関して若干出遅れているためである。 一方、中国では南山アルミが年10万トンの能力があると言われているが、出荷できる状態にまでは至っていないと聞いている。 右上の図は北米における自動車用パネル材の需要予測であり、自動車1台あたり2015年(平成27年)の約180kgが2025年(平成37年)には約250kgに増えると言われている。F-150だけでも、年85万台生産するとすれば板材は年35万トン必要となり、世界全体ではアルミ板材の需要は2025年(平成37年)に180万トンにまで拡大する見通しである。 一方、利益率が高いと言われてきた川上部門の製錬事業においては、アルコアなどのアルミメジャーも電力を火力発電所に依存している製錬所は電力価格の高騰により、閉鎖を余儀なくされている。これにより、アルミ地金の需給がタイトになり、プレミアムの高騰にもつながったが、最近は前述したとおり中国経済の減速等により、中国からの地金、半製品及び製品の輸出が増え、需給も緩和してきている。2.4 ASIの動き 今、アルミニウム・スチュワードシップ・イニシアティブ(ASI)という動きがアルミニウム業界の関心事項となっている。これは、「アルミニウムの価値を最大限に高め、かつ環境・社会等への負の影響を最小限にすること」を目的に、アルミニウムのボーキサイト採掘から製品使用、リサイクルまでのバリューチェーンの全てを企業統治、環境、社会的責任等の観点から評価する基準を策定しようとするものである。Nespresso、Tetra Pak、そしてAudi、BMW Groupなどがユーザーからの不安を払拭するために提唱したものであり、Rio Tinto AlcanやHydroなどのアルミメーカーも参画している。基準作りに参加している自動車メーカーやネスレなどはASI基準に沿ったアルミ材を購入していくと表明していることから、その動きが注目されている。北米における軽量自動車1台あたりのアルミニウム使用量(ポンド)北米地域における自動車用アルミ板の需要予測(2012年の9万トンから2025年には180万トンへ)

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